浣腸プレイ

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浣腸プレイ(かんちょうプレイ)とは、本来の医療行為としての浣腸(主に排便の促進等を目的とし肛門から液体を注入する行為)とは異なる目的で、スカトロSM等の性癖を持つ愛好家によってセックス自慰行為の手段として行なわれる性的嗜好を満足させるための浣腸行為を指す。エネマプレイとも呼ばれる。

概要

フロイトによれば人には性的発達段階において肛門期と呼ばれる排泄行為に対して快感を覚える時期があるとされ、成長した後でも排泄行為に快感を覚える人が存在する。 そもそも排泄器官は性器と深いつながりのある性感帯の一部であり、排泄行為と性的行為はその行為や状況、身体的部位から近しいものとされやすいため、浣腸の持つ様々な側面が一部の性的嗜好として固着する傾向がある。 また、排泄行為はすべての文化に共通して非常にプライベートな行為であり、禁忌、羞恥の対象である。これを破ることに対する背徳感などに快感を覚える人もいる。一定の年齢以上では排泄のコントロールを行えるが、浣腸を施すことにより強制的に人前での排泄や失禁をさせることができるため、浣腸そのものではなく禁忌を犯す(犯させる)快感をえるために浣腸が用いられることもある。 さらに、排泄物そのものに性愛を感じる人たちもおり、排泄を強制する浣腸を愛用する場合もある。

目的

一例として

  • 浣腸に伴う快感を楽しむ
    • 排泄器官に刺激を与えられることの快感
      • 浣腸器の挿入の刺激
      • 薬液の注入の刺激
    • 排泄を我慢する快感
    • 排泄行為に対する快感
      • 排泄することの快感
      • 苦しみからの解放(限界まで我慢した上での排泄)に伴う快感
  • 羞恥心や禁忌を犯す背徳感にともなう快感を楽しむ
    • 浣腸を施術されることへの羞恥心
    • 排泄器官を見られることに対する羞恥心
    • 排泄行為を見られることに対する羞恥心
    • 便意を我慢していることを見られることに対する羞恥心
    • トイレ以外での排泄に伴う背徳感
      • 野外での排泄
      • 通常の生活空間での排泄
      • おまる等の非日常的な便器への排泄
      • 着衣での便失禁
      • おむつの中への便失禁
  • 排泄物への性愛
    • 排泄物(糞)の大きさを自慢する・競い合う
    • 排泄する時にでる排泄音を楽しむ
    • 相手(パートナー)の全てを受け入れたい愛情
    • 糞尿を体に浴びる、顔に浴びる、体に塗る(塗糞)
  • パートナーに施し、上記の反応を楽しむ
    • パートナーへ排泄をおねだりする(させる)ことを楽しむ

といったことを目的として浣腸が用いられる。

失禁は幼児性を示すものでもあり、ロリータ・コンプレックスを持つ者にとって琴線に触れる行為ともとられることがあり、この性癖を持つものがパートナーに失禁させる目的で浣腸を施すこともある。(一般にはパートナーの理解を得られることはまれである)

排泄行為自体や排泄物に性的興奮を覚える人の中には、立ったまま・逆立ち・マングリガエシの体勢のまま排泄するなどの行為を行うものもいる。

AV業界においてはかつてはハードなスカトロ作品にのみ出てくる非常にまれなものであったが、ソフトSMというジャンルがはやると、手軽に女性の羞恥心をあおる手段などとして用いられ登場する場面も増えた。

浣腸プレイは様々な目的で楽しまれる、そのため浣腸プレイを行う人々の持つ性癖は一意ではない。 たとえば、スカトロでは排泄行為や排泄物を楽しむが、ソフトSMで行われるのはほとんどの場合、注入と我慢までである。 浣腸の全課程、全要素を楽しむ人はむしろまれで、浣腸のある点では楽しめるがある要素が絡むととたんに萎えてしまうという人の方が多い。 パートナーと行う場合は特に、パートナーの望む行為とずれがないのかを十分確認しておく必要がある。

また、直接の性的行為としてではないが、肛門性交、および肛門を使った自慰行為の前戯、あるいは準備としても行なわれる。 便意を感じているときでなければ直腸内に便が残留していることは少ないが、腸内細菌は肛門周辺に多いため洗浄しておくことは感染症の予防にはなる。 ただし完全に洗い流せることはなく、むしろ排便の促進により直腸内を便で汚すことすらあり、過信するべきではない。 浣腸により汚い部分である、という精神的な負担を抑え、肛門を緩める意味で行なうことが望ましく、肛門性交にはコンドームが必須と言える。

AV業界での採用や性の多様化により、浣腸プレイはごくごく限られた人々が行う行為ではなくなってきている。
また、イチジク浣腸などの家庭用浣腸が一般に普及していることも手伝って手軽にできる行為として受け止められがちである。
しかし、本来は医療行為であり、その方法を誤れば命に関わる事故につながるため、危険性に関する知識は最低限得た上で十分注意して行わねばならない。
特にパートナーに施す場合は、危険性の認識だけでなく、事前に自身で試すことは最低限のマナーと言える。

バリエーション

  • 浣腸セックス
主に女性側に浣腸施し、我慢させながらセックスを行う。またはセックス中に浣腸する。
空気を少し入れておくと排泄するときに物凄い音がして、見られる側も見ている側も興奮する。
  • 浣腸アナルセックス
浣腸を施し排泄を我慢させたパートナーの肛門へ男性器やペニスバンドを挿入する。
  • 温泉浣腸
男性器を肛門に挿入した状態で排尿し、パートナーに浣腸を行うもの。当然コンドーム等を装着せず挿入しているので陰茎を経由して感染症を引き起こしやすく、排尿後の逆流で尿道内に便が入り、尿道炎、膀胱炎等を引き起こす可能性が高い非常に危険な行為である。別名ション浣ともいう。
  • 浣腸オナニー
浣腸を施し、便意を耐えながらオナニーを行う。オナニー中にまたは絶頂とともに排泄したりもする。男女ともに行える。純粋なオナニーとしてのほか、これを命ずる、見られながら行うなどパートナーを伴うプレイとしても行われる。
  • 空気浣腸
薬剤や浣腸液を注入せずに空気だけを注入して、オナラの音の羞恥心や音を楽しんだり、煽ったりする。
  • シャワー浣腸
シャワーの先端のノズルを外してホースから肛門にぬるま湯を注入して行う浣腸。一般家庭でも簡単にできる浣腸だが、ホースの先端で肛門を傷つける危険性がある。事前に肛門にローションやクリームを塗っておくと良い。水圧によって腸が破裂する危険性もあるため十分注意する。できればノズルを直接挿入する行為は避けた方がよい。ノズルは外さず水圧をかけたシャワーを押し当て肛門の力の調節で浣腸を行うこともできる。一人でも簡単にできるためアナルプレイの準備などとしてもよく利用される。
  • ウォッシュレット浣腸
ウォッシュレットの水圧を高め、肛門の位置や力の入れ具合を調節して浣腸する。潜在的に行っている人も多い浣腸プレイである。一人でも簡単に行え、即排泄も可能なため手軽である。アナルを使用した自慰やセックスの準備としても行える。
  • 野外浣腸
野外にて浣腸を行う。野原などへ排泄したり、おむつを着用の上外出先などで排泄する。
  • 牛乳浣腸
牛乳を浣腸する。排泄物と混ざり合った独特の便が出る。AVなどでも行われることが多い。ただし、冷たいままの牛乳を注入したりした場合など、行為後も下痢が続いたり、もともと便秘症の場合は残留した牛乳が腐敗する可能性もあるなど危険性も高い。
  • 石鹸浣腸
一般的な家庭でよく使われる固形の石鹸を溶いて浣腸する。体への負担が少なく大量に注入できる(極端な入れすぎは厳禁である)

マナー

浣腸プレイは人間の禁忌を犯す行為でもあるため、受け入れられる人はまだまだ少数派であり、多くの人にとっては嫌悪の対象であることを忘れてはいけない。

  • パートナーに対して
    • 相手の意志をしっかりと確認し、決して強要するようなことはしてはいけない。
    • 一言に浣腸プレイといってもバリエーションが広く、どのような行為に快感を感じるかは人によって異なる。初めての場合は事前にどのようなプレイをするのかを確認するようにする。相手が拒否した場合は潔くあきらめる。
    • パートナーに浣腸を施す場合、事前に自分自身に試して安全なラインを理解するように努める。
    • 浣腸の危険性について事前に調べておき、素人考えで無茶をしないように努める。
    • 一つ間違えば死につながるということを忘れず、パートナーの体調の変化に細心の注意を払う。無理を強要せず、危険だと感じた場合は即中止するようにする。プレイ後でも体調が思わしくない場合は勝手に判断せず医療機関に頼るようにする。
  • プレイについて
    • プライベート空間以外で(ラブホテル等であってもそのプレイが許可されていない場合も)失禁する/させるような行為は控える。周りの人に迷惑をかけるだけでなく、公共物や他人の所有物を汚した場合、器物破損に問われることもある。また、公衆の面前での排泄自体軽犯罪に当たることを忘れてはならない。
    • 公共のトイレを長時間占有しない。また、女性が男性トイレ、男性が女性トイレに入ること自体は犯罪ではないが公共のトイレ内でのプレイは避ける。
    • 公共のトイレを使用する場合、トイレを汚すような行為は控える。他の誰かも使用する場所であり、必ず誰かが清掃するのだということを忘れてはならない。排泄物を流さず置いておくなどもマナー違反である。やむを得ず汚してしまった場合はできる限りの範囲で清掃すること。
    • 排泄物が腐敗すると細菌の繁殖などにより健康を害する危険なものとなる場合がある。プレイの後は清掃を心がけ、特に浣腸器などの体に触れる器具は念入りに清掃し殺菌処理をする。

危険性

浣腸プレイはその行為の性質上、医師等の監督を受けることなく素人によって興味本位で行われるものであり、医学的知識の乏しさや認識の低さ、フィクションによる先入観等から、一般の医療行為としての浣腸ではありえない不適切な手法によって危険な状態に陥る事故が起こりうる。以下に、犯しやすい過ちの例を挙げる。

  • 大量に注入する
小説などのフィクションでは5リットルなどというとんでもない量を注入するなどの表現があるが、安全に注入できる量は人体に影響の少ないぬるま湯でも1.5リットル~2リットル程度であり、それ以上の量になると小腸へ逆流が起こったり、注入する圧力によっては腸が損傷を受けることもある。また、ぬるま湯であっても腸へ注入することで急激に水分が吸収され、腎臓などに負担をかけたり、血液の濃度が急激に下がることによる中毒症状(水中毒)に陥る可能性もある。
  • アルコールを注入する
大腸は水を吸収する器官である。アルコールなどを注入すると、経口で摂取するより速いスピードで体内にアルコールが吸収され、酒が飲めない人はもとより普段酒に強い人であっても急性アルコール中毒になる可能性がある。経口投与に比べ、消化液による希釈を受けないため、比較的高濃度のエタノールが急激に吸収されることになる。同じ薬物であっても身体に対しての影響がより強くなることとなることを認識すべきである。なお、医薬品において坐剤を用いるのは、急速に作用を発現する効果を期待するのと、消化液による化学変化で有効成分が破壊されたり、副作用が発現するのを防ぐためである。
  • 牛乳などの食品を使用する
食品関連の物は経口で摂取しても安全で刺激が少なく、アダルトビデオで用いられるために模倣されやすいが、完全に排泄されず腸内に残留した場合、異常醗酵をおこし健康に悪影響を及ぼすことがある。パートナーが頑固な便秘症でなければ過度な心配の必要ないが、洗浄のためのぬるま湯浣腸などをしておくほうが効果的である。誤って膣内などに残留した場合腐敗を起こしやすいので、充分に洗浄する必要がある。またコーヒー類、炭酸飲料等の刺激物が多いのも痛みを伴い危険である。初心者や十分な安全な知識がない者が興味本位でなんでも浣腸として使おうとする場合があるので注意が必要である
  • 高温/低温の浣腸液を注入する
浣腸に適した温度は体温より少し高い38℃前後であるが、40℃以上の液体ではやけどを起こし、腸壁細胞の壊死、化膿などにより甚大なダメージを与える。また、極端に冷たいものでは腸の痙攣や下痢などを引き起こす。
  • 不自然な体位を取る、又は不自然な注入をする
適切な体位を取らなかった場合、また不自然な角度から注入を行うなどした場合、浣腸器を挿入した際、腸を傷つけ、浣腸液の流出によって腹膜炎、溶血、腎不全などを起こす。また、肛門を傷つけ痔になる可能性もある。特に浣腸器をさし込んだ状態で動くのは大変危険である。
  • 酢・高濃度の薬剤など刺激の強い液体を注入する
濃度の高い薬剤や酢などの刺激の強い薬剤を使用した場合、腸が炎症を起こし、健康に多大な被害が出る。医療用として一般に用いられているグリセリンの場合、30~50%の溶液で、200mlが限度である。医療用のディスポーザブル浣腸でさえ最大容量は50%溶液150mlである。これ以上の濃度・量を注入すると、腸内に過度の負担がかかり、出血を伴ったりと健康に多大な被害が出る。
  • 必要以上に長時間我慢させる
浣腸を用いたプレイではしばしばアナルストッパーなどと呼ばれる器具を浣腸後肛門に挿入し我慢させる事が行われる。外部から挿入するだけのタイプであれば圧力が高まれば排泄可能であるため大きな問題にならないが、これを外部から押さえつけたり、挿入後空気を送り込む物を使用し、自力での排泄を不可能にした場合、被浣腸者の体力の限界を超えた場合でも排泄できなくなり、使用する薬剤によっては、脱水症状、貧血、溶血、腸内の炎症による出血など、健康に多大な被害を及ぼす。また、腸内で突然圧力が高まった場合でも排泄できないため腸に甚大なダメージを与え、場合によっては死に至る場合もある。使用する薬剤によって異なるが、薬局などで購入できるディスポーザブル浣腸を通常の量(2つまで)使用した場合、大まかな目安として我慢させる時間は5~10分程度にとどめるべきである。平気に見えても突然体調が変化することもあるため、十分注意し限界を超えて我慢させないように配慮する必要がある。
  • 頻繁に浣腸する
便秘等で浣腸して排泄を促し、症状を改善させる目的で用いられるが、頻繁に浣腸していると体が浣腸の刺激になれ、通常の便の蓄積では便意を感じにくくなることがある。また、腸が萎縮し便秘になることがある。

関連項目